ご社宝めぐり

世田谷区
氷川神社
区指定有形文化財
本殿
 当社には文政7年(1824)の本殿再建の棟札がある。現在の本殿はこのときのもので、昭和63年に建てられた社殿の中に納められている。一間社殿造の様式を持ち、屋根は柿葺、総欅造りである。装飾は白木造りで、龍の丸彫をはじめ、賢人の浮彫等が施されており、社殿に華美な彫刻を施すという、江戸時代後期の特徴をよくあらわした建物である。棟札により、建築年代のほか、上平間村(現川崎市)の大工渡辺喜右衛門源棟暁が造営にあたり、彫刻は渡辺徳次郎源棟績により行なわれたことが判る。(世田谷区教育委員会掲示参照)
氷川神社について
 当社は喜多見、宇奈根の氷川神社と共に三所明神の一つである。『江戸名所図会』には「…祭礼毎年九月廿一日なり、相伝ふ暦仁元年(1238)当地の主江戸氏足立郡大宮の御神を勧請すと云、旧は唯一宗源の社なりしに其後二百有余年を経て天文年間松井坊といへる山伏奉祀の宮となり両部習合とす」とあり、700余年前の建立である。
【鎮座地】東京都世田谷区大蔵6-6-7
(平成24年10月寄稿)