ご社宝めぐり

中央区
末廣神社
中啓
 この中啓(末廣扇)は335年前、延宝3年(1675年)の社殿修復の際、本殿から神楽舞の神狐面と共に出たものである。扇の前面には中央に鳳凰が、その周りと裏面には菖蒲の画が描かれている。この扇に因み、氏子の人々が悦び祝って「末廣」の二文字を神社名に冠したものである。
 末廣という縁起良い社号にあやかり、都内のみならず近県から開運、諸難・災厄除けを願う参拝者も多い。
末廣神社について
 当社は古文書(京都・伏見稲荷大社からの文書他=中央区文化財)によると、410年以上前の慶長元年(1596年)以前に御鎮座されている。元和3年(1617年)花街である「葭原(吉原)」が開かれ、街が活気づくにつれ、人々は当社を地主神・氏神として信仰した。その後明暦の大火により吉原は浅草へと移転。当社は、周辺四か町の産土神として仰がれた。旧社殿は、昭和20年の「東京大空襲」で焼失。同22年に再建(総檜造り)されたものである。
【鎮座地】東京都中央区日本橋人形町2-25-20
(平成23年2月寄稿)