ご社宝めぐり

新宿区
須賀神社【天王様】
区指定有形文化財
三十六歌仙繪
 三十六歌仙は、平安時代中期の公卿・藤原公任が、過去及び同時代の優れた歌人36名を選定したもので、万葉歌人から柿本人麿・山部赤人・大伴家持の3名が、平安時代前期の「古今和歌集」「後撰和歌集」等から紀貫之・在原業平・小野小町ら33名が選ばれている。
 須賀神社の三十六歌仙繪は、三十六歌仙を一人一枚の絵に仕立てたもので、縦55センチ、横37センチの絹地に彩色したものを額装して拝殿内に掲げている。
 天保7(1836)年に奉納されたもので、当時文人両家として高名だった四谷大番町(現在の大京町)の旗本・大岡雲峰(おおおかうんぽう)が絵を、和歌や書画で人気を博した公卿・千種有功(ちぐさありこと)が書を担当した。
 四谷の総鎮守として信仰を集めた須賀神社の隆盛を物語る文化財のひとつである。区指定有形文化財(区教育委員会掲示参照)
須賀神社【天王様】について
 江戸開府以前、四谷御門前にあったが、寛永11(1634)年、堀割(現在の外堀)普請の用地となったので、その替地として現地に遷座されたものである。地主神である稲荷社地へ、天王社(須賀人神)が勧請され、寛永21(1644)年より両社をもって四谷総鎮守とし、毎年盛大な祭礼が行なわれてきた。明治元年に須賀神社と改称された。
【鎮座地】東京都新宿区須賀町5番地
(令和元年9月寄稿)