ご社宝めぐり

日野市
八幡神社
国指定 重要文化財
銅造阿弥陀如来坐像
 この像は本神社の奉安殿に安置されています。背部に建長2年(1250)の銘があり、作風からも鎌倉期の製作と認められます。
 背銘には「真慈悲寺」の文字も見えます。真慈悲寺は『吾妻鏡』に登場する鎌倉幕府の祈祷寺で、百草周辺に存在していたと考えられます。本像はこの真慈悲寺にあったと伝えられていますが、鎌倉幕府滅亡以降、真慈悲寺は資料上に現れなくなり、いつ廃寺になったかも定かではありません。その後、本像は土中より掘り出されたとも言われています。
 現在では、八幡神社の本地仏として、毎年9月の祭礼に際して、一日のみ公開されています。像高は40センチ。国指定 重要文化財(彫刻)
八幡神社について
 創建の年代は不詳であるが、社宝の石造狛大に天平の文字があり古い社である。康平5年(1062)源頼義が安部貞任、宗任征討の後、この地に再建されたといわれる。また建久3年(1192)源頼朝武運長久を祈願した太刀一振の奉納があり、古くは古富八幡社と称され、祭田五百石があったといわれる。
【鎮座地】東京都日野市百草867
(平成29年2月寄稿)