ご社宝めぐり

台東区
境稲荷神社
弁慶鏡ヶ井
べんけいかがみがい
 当神社の井戸は源義経とその従者が奥州へ向かう途中に弁慶が見つけ、一行ののどを潤したと伝えられ、『江戸志』など江戸時代の史料にも名水として記録がある。一時埋め戻されたが、昭和15年に再び掘り出され、昭和20年の東京大空襲などでは多くの被災者を飢渇から救った。脇の石碑は掘り出した際の記念碑で、造立者の中には当地に住んでいた横山大観画伯の名も見える。
境稲荷神社について
 文明年間(1469~86)足利九代将軍義尚が創祀したと伝えられ、忍ヶ岡(上野台地)と向ヶ岡(本郷台地)の境に鎮座するところから境稲荷と称された。寛延3年(1750)の火災で社殿をはじめ足利義尚自筆の扁額や重宝・古記録とも焼失するが、その後再建された。
【鎮座地】東京都台東区池之端1-6-13
(平成29年3月寄稿)