ご社宝めぐり

青梅市
春日神社【かすがさま】
都指定有形文化財
本殿
 都指定有形文化財の本殿は、慶安元年(1648)に、多摩郡下師岡村名主吉野太郎右衛門と同郡吹上村名主塩野喜右衛門の発願により、大工の吉沢籐兵衛が建立したものです。形式及び構造は、一間社流造(いっけんしゃながれづくり)、瓦棒銅板葺(かわらぼうどうばんぶき)で、身舎(もや)の規模は桁行(奥行)2.363メートル、梁間(間口)2.115メートルと一間社としては規模も大きく、多摩地域における数少ない江戸初期の遺構で、春日神社が立地していた農村地帯における、中世からの歴史的な技術や美意識を伝える貴重な神社建築です。尚、慶安元年と寛延2年、文化2年の修理時の棟札3枚も附(つけたり)として指定されています。
春日神社【かすがさま】について
 春日神社は、元「春日大明神」といい、別当神照寺持ちであった。江戸時代中頃、寺が火災になり社記等消失したため、創建等詳細は不明になったとのことであるが、本殿内に天文7年(1538)奉納の銅板があったことから、室町時代中頃には人々に信仰されていたことが伺える。尚、青梅市無形民俗文化財に指定されている獅子舞と徳川将軍家より拝領した朱印状(3代家光以下)9通を今に伝えている。
【鎮座地】東京都青梅市野上町1-38
(平成22年10月寄稿)