ご社宝めぐり

福生市
熊川神社
都指定有形文化財
本殿
 熊川神社本殿は、一間社流(いっけんしゃながれ)、見世棚造で、奥側の一間の身舎(もや)と手前側の向拝と呼ばれる二つの空間から構成されています。簡素な形式ですが、見世棚造の本殿としては大形のものです。その規模は、桁行(けたゆき/間口)171.9センチ、身舎の梁間(はりま/奥行)が153.8センチですが、向拝の梁間はやや狭く123.7センチとなっています。熊川神社には附で正長2年(1429)、慶長2年(1597)、寛文11年(1671)の三枚の棟札が指定されており、建築年代はその様式からみて慶長2年の「大工 田村助太郎」によるものといわれています。都指定有形文化財(都教育委員会掲示参照)
熊川神社について
 創建年代不詳。社伝によると、夜ごと多摩川に雷光を放ち、のち一老翁が現われ、この付近に守護神ありといって姿を消し、そこに一個の御神像をみつけ、これを生石命と尊称し、大国主命を祭神として一社を創設したという。日本古来の漂着神、寄り神信仰の姿を伝えている。もと礼拝大明神と称していたが、明治3年熊川神社と改称した。
【鎮座地】東京都福生市熊川660
(平成29年6月寄稿)