ご社宝めぐり

台東区
熱田神社
区有形民俗文化財
大太刀
陰陽丸
いんようまる
 本社が所蔵する大太刀は全長368.5センチの長大なものである。弘化4年(1847)小石川に住居する刀工、川井久幸が制作し、当社に奉納した。宝刀として保存されるだけではなく、安政5年(1858)のコレラ流行の際には、疫病を祓うため本大太刀が町内を巡行している。当時江戸の町々では、鎮守の神興や獅子頭が町内を巡行するなど、それぞれに疫病除け行事を行っていた。当地では、鎮守の宝刀「陰陽丸」が疫病除けに最もふさわしいと考えられたのであろう。鞘は震災及び戦災で焼失したが復元された。(区教育委員会掲示参照)
熱田神社について
 元亀二辛来年(1571)6月創建と伝う。浅草鳥越に鎮座の所、正保二乙酉年(1645)、幕府御用地に指定され、氏子と共に三谷村に遷座し「三谷明神」と尊称された。関東大震災で社殿を焼失し仮社殿を再建したが、その後の区画整理で現在地に遷座、現今に及ぶ。
【鎮座地】東京都台東区今戸2-13-6
(平成27年6月寄稿)