ご社宝めぐり

墨田区
秋葉神社
石燈籠
 秋葉神社境内には、江戸時代の老中、寺社奉行、勘定奉行などの幕府要職を務めた大名・旗本らが寄進した石燈籠七基が現存し、そのうち六基が区登録有形文化財(歴史資料)になっている。
 社殿造営にも携わった上州沼田城主・本多正永(ほんだ まさなが)は、宝永元年(1704)5月に石燈籠二基を寄進している。正永は、同年9月に老中に任命されていることから、同社に就任祈願をしていたとも推測されている。
 江戸期の大名が秋葉神社を厚く崇敬した証であり、かつて境内約7000坪を誇る景勝地であった往時の社頭風景を彷彿とさせる。
秋葉神社について
 鎌倉時代の正応2年(1289)創建と伝承される。江戸時代の元禄15年(1702)、修験者・千葉葉栄が秋葉稲荷両社として社殿を造営し、別当寺・千葉山満願寺を建立。徳川御三家はじめ諸大名から信仰され、江戸城大奥の清遊の地でもあった。歌川広重「江戸名所百景」には紅葉の名所として紹介されている。昭和20年、東京大空襲により社殿が焼失し、昭和41年に再建。
【鎮座地】東京都墨田区向島4-9-13
(令和3年9月寄稿)