ご社宝めぐり

羽村市
玉川神社【おすわさま】
巻物
北辰真武一刀流  兵法箇條目録
 「北辰真武一刀流」は、神田於玉が池にあった千葉道場四天王の一人、小栗篤三郎を祖とする。この巻物の冒頭には、北極星(北辰)が万物の中心とする妙見信仰を基に、北斗七星図が描かれ、つい最近発見された坂本龍馬宛の許状でも形態は同様である。
 幕末、当地域では甲源一刀流や、その分派である開平三知流が主流にあったが、明治維新とその後の学制発布や廃刀令など時代の変遷の中にあっても、北辰一刀流や天然理心流、神道無念流など様々な流派が腕を競う武芸試合が、各所で盛んに開かれた。境内での奉納試合を期に、当時の武芸試合主催者から神社に奉納されたもので、郷土研究上貴重な資料となっている。
玉川神社【おすわさま】について
 寿永年間(1182-85)畠山重忠一族が信州諏訪大社より勧請。もとは諏訪大明神、多摩大明神と称した。明治15年日枝神社を合祀して玉川神社と改称。境内には明治10年代小学校が建設され、羽村の学校教育発祥地である。文豪中里介山の出身地でもあり、小説ファンの参拝者が多い。
【鎮座地】東京都羽村市羽中4-1-16
(平成28年6月寄稿)