ご社宝めぐり

町田市
町田天満宮
神祇伯  資訓王書神額
 額の表面には「町田天満威徳天神」、裏面には「嘉永六年九月十三日/神祇伯資訓王謹書」とある。「天満威徳天神」は御祭神菅原道真公の神名の一つである。
 揮毫者の神祇伯資訓王(すけのりおう)は、後に子爵となる白川資訓(1841〜1906)。神祇官の長官・神祇伯を世襲し王号を称した白川伯王家(白川家、白川神祇伯王家)の幕末維新期の当主であった。
 資訓王は、明治2年の改革により、神祇伯を退任、王号を失い、最後の神祇伯王となった。その後、神祇官次官にあたる神祇大副や宮中祭祀に奉仕する大掌典などをつとめた。
 現在の社殿には、別の神額が掲げられており、この神額は、社殿隣の神輿庫内に保管され、ガラスケースにかざられている。
町田天満宮について
 創建年代は未詳であるが、天正年間(1573~92)と推測される。元和元年(1615)、名主の三橋氏・武藤氏が社殿を造営。明治5年、原町田村大火の際に焼失し、明治23年に本殿を再建した。昭和39年に菅原神社から町田天満宮に改称。昭和42年に尾州檜造銅板葺の新社殿を造営し、現在に至る。
【鎮座地】東京都町田市原町田1-21-5
(令和3年5月寄稿)