ご社宝めぐり

中央区
住吉神社
区民文化財指定
水盤舎
すいばんしゃ
 住吉神社の水盤舎は明治2年(1869)に建てられ、参拝者が手を清めるための水盤を置いた欅材(けやきざい)の切妻(きりづま)造、瓦葺きの建物である。明治44年(1911)に改築された。
 この水盤舎の四周の欄間の正面には石川島の灯台を背景にした佃の渡し、側面には帆をはった回船や網を打つ小舟、背景には磯の景色、また内側にも潮干狩りなど佃島周辺の風景を浮き彫りにした彫刻がある。
 水盤は天保12年(1841)に木綿問屋の「白子組」から本納され、背面には、「天保十二年 丑正月 白子組」と刻まれている。
 これらは、海の安全を願う人々によって守られてきた貴重な文化財である。区民文化財指定
住吉神社について
 徳川家康公が関東下降の際、摂津国佃の漁夫33人と住吉の社の神職平岡権大夫好次が分神霊を奉載し江戸へ下り、寛永年間に幕府より鐵砲洲向かいの干潟を賜り築島した。そして故郷の名をとり佃島とし、この地に社地を定め、正保3年(1646)6月29日、住吉三神、神功皇后、徳川家康の御神霊を奉遷祭祀した。佃島は江戸湊の入口に位置し、海運業、各問屋組合をはじめ多くの人々から海上安全、渡航安全の守護神として信仰を集めた。その後、月島、勝鬨、豊海、晴海と埋め立てが行われ、その地域の産土神(氏神)として信仰されている。
【鎮座地】東京都中央区佃1-1-14
(令和2年2月寄稿)