ご社宝めぐり

文京区
根津神社
ツツジと「つつじまつり」
 根津神社境内で毎年開催している「つつじまつり」は、平成31年第50回の節目を迎えました。行事としての歴史は50年ですが、そもそもの根津のツツジの由来は350年ほど前まで遡ります。
 当神社の境内は宝永3年(1706)現社殿等7棟が徳川五代将軍綱吉によって造営されるまで、綱吉の兄・甲府藩主綱重の下屋敷でした。綱重は当時、将軍になる前に上州館林藩主であった弟・綱吉との縁から、当時、既にツツジの名所であった館林よりキリシマツツジをこの下屋敷の西側の丘に移植したのが根津のツツジの起こりです。
 現在のツツジは、戦災で被災した社殿の修復が終わった後、荒れはてていた丘に新しく増植したもので、それなりに景観が整った昭和45年、地元氏子が行事を計画、「文京つつじまつり」として開催したのが始まりです。以来、100余種約3000株が、広い斜面を色とりどりに覆い尽くす景観に年々参詣者が増加、約1か月の期間中、内外からの来場者は数10万人に上り、地元が地域振興を願って続けてきた努力は実を結んでいます。
根津神社について
 日本武尊の創祀とされる。古くは北ヘ500メートル程離れた、もと太田道灌の屋敷近くに鎮座していた小さな鎮守で、道灌が社殿を改築した記録がある。
【鎮座地】東京都文京区根津1-28-9
(平成31年4月寄稿)