生命の言葉

今上陛下
いにしへの 人も守り来し 日の本の
森の栄を 共に願はむ
―今上陛下御製 平成三年歌会始お題「森」
皇后陛下
いつの日か 森とはなりて 陵(みささぎ)を
守らむ木木か この武蔵野に
―皇后陛下御歌 平成三年歌会始お題「森」


今上陛下
第百二十五代天皇
【ご誕生】
昭和八年十二月二十三日
【ご称号】
継宮(つぐのみや)
【お印】
榮(えい)
【即位礼】
平成二年十一月十二日

皇后陛下
今上陛下の皇后
【ご誕生】
昭和九年十月二十日
【お印】
白樺(しらかば)
【ご結婚】
昭和三十四年四月十日
奉祝 両陛下ご結婚六十年
天皇皇后両陛下 お互いへのお言葉
天皇陛下から皇后陛下へ

「結婚五十年に当たって贈るとすれば感謝状です。皇后はこの度も『努力賞がいい』としきりに言うのですが、これは今日まで続けてきた努力を嘉しての感謝状です。本当に五十年間よく努力を続けてくれました。その間にはたくさんの悲しいことや辛いことがあったと思いますが、よく耐えてくれたと思います。」
(平成二十一年 結婚五十年に際しての記者会見)

皇后陛下から天皇陛下へ

「(前略)私はやはり感謝状を、何かこれだけでは足りないような気持がいたしますが、心を込めて感謝状をお贈り申し上げます。(中略)嫁いで一〜二年のころ、散策にお誘いいただきました。赤坂のお庭はくもの巣が多く、陛下は道々くもの巣を払うための、確か寒竹だったか、葉のついた細い竹を二本切っておいでになると、その二本を並べてお比べになり、一方の丈を少し短く切って、渡してくださいました。ご自分のよりも軽く、少しでも持ちやすいようにと思ってくださったのでしょう。今でもそのときのことを思い出すと、胸が温かくなります。」
(平成二十一年 結婚五十年に際しての記者会見)

天皇陛下から皇后陛下へ

「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました。皇后が常に私の立場を尊重しつつ寄り添ってくれたことに安らぎを覚え、これまで天皇の役割を果たそうと努力できたことを幸せだったと思っています。」
(平成二十五年 天皇陛下お誕生日会見)

「御代(みよ)替わりと伝統精神」
 天皇陛下は今春ご譲位なされる。御代替わりという荘厳な一大儀式を経ることによって、天皇陛下のご在位とご即位の重大さが認識される。だからこそ、その諸儀式が古来の伝統を踏襲し、古式ゆかしく斎行されなければならない。
 「陛下が大変である」と忖度して省庁が諸儀の内容の改変を検討したというが、国の根幹をなす重大な儀式を変更してはいけないのである。
 まだまだ占領政策の影響がぬぐいきれない現代人の感覚や尺度で物事を図ると、必ず大事なことが抜け落ちてしまう。まさに「昔の手振り忘るなよゆめ」である。
 私たちは百二十五代にわたる大御心とお導きに敬意を表し、今上陛下の慈しみに対しても感謝の真を捧げたい。そして、その御代を受け継がれる皇太子殿下同妃殿下を敬慕の真心でお迎えしたい。
 陛下は常に国の平安と弥栄を願い皇祖に畏敬の祈りを捧げられている。我々国民はそのお姿を手本として、家族が共に思い遣り援け合い、また祖先の恩に感謝して、家族の幸福を築いていかなければならない。

東京都神社庁 庁長
小野貴嗣
神道知識の誘(いざな)ひ
植樹祭(しょくじゅさい)
全国植樹祭は、戦後、過度の森林伐採により荒廃した国土の復興をめざして、昭和天皇・香淳皇后ご臨席のもと、昭和二十五年に山梨県で開催されて以来、毎年全国各地で開催されてきました。
天皇皇后両陛下によるお手植えなどを通じて、国民の森林に対する愛情を培うことを目的にした、国土緑化運動の中核をなす行事であり、両陛下の三大行幸啓のひとつとなっています。
※三大行幸啓…「全国植樹祭」「全国豊かな海づくり大会」「国民体育大会」
今月の祝日と儀式
【神武天皇祭(三日)】
皇霊殿と畝傍山東北陵(奈良県橿原市)で行われ、神武天皇の御霊をおまつりします。

【退位礼正殿の儀(三十日)】
退位前に国の代表に合われる儀式。国事行為として宮中にて行われる。