生命の言葉

本居宣長
尋常(よのつね)ならずすぐれたる
徳(こと)のありて可畏(かしこ)き物を
迦微(かみ)とは云(いふ)なり
「普通でない優れたところがあって、恐れ多いものを神という。」
古事記を研究し著した『古事記伝』中で、日本人が古くから持っていた「神」に対する考え方を述べたもの。
本居宣長 (もとおり のりなが)
江戸時代の国学者・文献学者・医師。
伊勢国(三重県)松坂の人。二十二歳で医学の修行のため京都へ遊学し、儒学・古典等を修め国学の道に入ることを志す。松坂に帰り診療所を開業し、そのかたわら古事記、源氏物語など古典文学の注釈や漢字音、文法などの国語学的研究にすぐれた業績を残した。また復古思想を説いて儒教を排し、国学の思想的基礎を固めた。国学四大人(こくがくしうし)の一人。著書に『源氏物語玉の小櫛』『古事記伝』『玉勝間』『直毘霊』などがある。
神道知識の誘(いざな)ひ
大祓(おおはらへ)
日々の暮らしの中で知らず知らずのうちに、わが身の内外に降り積った悪しきものを祓い清め、無病息災を祈る神事を「大祓」といいます。これは毎年六月と十二月の二回、その月の末日に行われます。平安時代の法令集、「延喜式(えんぎしき)」にも、六月と十二月の大祓が記されており、古くから行われていたことがわかります。悪いものを形代に移し祓い清めることで、心身を清浄で生命力に満ちた状態に戻し、次の半年間を新たな気持ちで迎えるのです。