生命の言葉

文室真人智努
天地(あめつち)と 久しきまでに
万代(よろずよ)に 仕(つか)へ奉(まつ)らむ
黒酒白酒(くろきしろき)を
文室真人智努 (ふんやのまひとちぬ)
天武(てんむ)天皇の孫。
初名は智努王(ちぬおう)。天平勝宝(てんぴょうしょうほう)四年、文室真人姓を賜与され臣籍に下る。
同年十一月二十五日の新嘗会(しんじょうえ)の肆宴(しえん)で応詔歌を奉り、後に万葉集十九巻に採録された。
大饗(だいきょう)の儀
大嘗祭で神様にふるまい、共に天皇陛下も食された白酒・黒酒などの神饌の「おさがり」が、国民の代表へもわけられます。お祭りの最後に行われる祝宴、「直会(なおらい)」です。皇祖から人類の生命の根として給わった稲穂をもって大嘗祭を行い、皇祖の御心を陛下御自身の御心として、御光を新たにされた天皇陛下が大嘗祭の直会としてその御光を広く国民にもお分かちになるべく、御饌御酒のお下がりを共にされ国民一体の歓びの中に、宴を尽くすのです。
即位礼・大嘗祭後 親謁(しんえつ)の儀
天皇陛下は、即位礼・大嘗祭の後、天照大御神をお祀りになる伊勢の神宮や、神武天皇そして近縁の天皇がお鎮まりになる御陵(みささぎ)に親ら参拝されます。ご先祖の神様や歴代の天皇方へ、即位をご奉告なさるのです。
・即位礼及び大嘗祭後神宮に親謁の儀
・即位礼及び大嘗祭後神武天皇山陵
 及び前四代の天皇山陵に親謁の儀
・即位礼及び大嘗祭後賢所に親謁の儀
・即位礼及び大嘗祭後皇霊殿神殿に親謁の儀
神道知識の誘(いざな)ひ
白酒黒酒(しろきくろき)
神様に奉るお酒である白酒と黒酒とは、『延喜式(えんぎしき)』(巻四十)造酒司(さけのつかさ)の条によると、新嘗祭(にいなめさい)又は大嘗祭(だいじょうさい)に供する一種の酒とあります。
飯米と蘖(げつ)(麹蘖のこと)に水を加えて二つの甕(かめ)に分け、各甕から黒酒・白酒とをつくります。ともに加熱して久佐木(くさき)灰を加えたものを黒酒と言い、灰を加えぬものを白酒と言います。
今月の祭日
【大正天皇例祭(二十五日)】
宮中三殿のうち皇霊殿でお祭りが行われ、天皇陛下、皇后陛下、皇太子・同妃両殿下、皇族方が拝礼されます。多摩陵においてもお祭りが行われます。