生命の言葉

上皇后陛下
神まつる 昔の手ぶり
守らむと 旬祭(しゅんさい)に発(た)たす
君をかしこむ
宮中行事「歌会始(うたかいはじめ)」
宮中で天皇陛下が年の始めに催しになられる歌会を「歌会始」といいます。これは事前に定められた共通のお題で歌を詠み、その歌を披講(ひこう)する会です。
その昔は、「歌御会始(うたごかいはじめ)」と言い『外記(げき)日記』に亀山天皇の文永四年(一二六七年)宮中で歌御会が行われたことが明記されており、歌御会始の起源は遅くとも鎌倉時代中期まで遡ることができます。その後一時中断する時期などもありましたが江戸時代頃にほぼ毎年催されるようになります。大正十五年の皇室儀制令の制定により「歌会始」と名称が変更、昭和二十二年には皇族のみならず国民からも和歌を募集する現在の形となりました。それと併せて「勅題」から「お題」に歌作りが平易なものと変わり、国民と共に楽しむ歌会始となりました。和歌は日本語の最も美しい姿であり、その歌の言葉に宿る力「言霊」によって幸がもたらされます。
多くの和歌を詠み、常に国の平安を祈ってこられた歴代天皇の大御心は今上陛下にも受け継がれております。
神道知識の誘(いざな)ひ
旬祭(しゅんさい)
宮中三殿において毎月の一日十一日、二十一日には神々へ国家国民の平安をお祈りする「旬祭」が執り行われます。
主に掌典長が祭典を行いますが、原則として一日の旬祭には天皇陛下の御拝礼があり、陛下御親(おんみずか)ら神々に感謝し国家国民の平安を祈念されます。
全国の多くの神社でも、「月次(つきなみ)祭」など名称の違いはありますが、毎月一日に神様へ日々の御礼とご加護をお祈りする祭典が行われます。
今月の祭日
【元始祭(三日)】
天皇陛下御親ら皇位の始まりを祝う祭り。全国の神社に於いても宮中に倣い、皇室の繁栄と国家平安を祈ります。

【昭和天皇例祭(七日)】
皇霊殿と武蔵野陵において、昭和天皇の御霊へのお祭りが行われます。