写真
神社Q&A
神社と神道について、皆さまのご質問にお答えしています。

神葬祭

神葬祭(しんそうさい)はいつ頃始まったのですか
 神道の形式によって行われる葬儀を「神葬祭」といいます。しかし、葬儀というと一般的には仏教の専門と思われがちで、事実、仏教の形式によって行われる葬儀が大半を占めています。けれども、神葬祭はすでに仏教伝来以前からあったことが、『古事記』『日本書紀』といった古典にも記されていて、神葬祭は日本固有の葬法だったことを物語っています。
 仏教伝来以降は、急速に仏教の形式による葬儀が普及していき、さらに江戸時代になると寺請(てらうけ)制度(キリスト教の信仰を防ぐため、人々は誰でも必ず寺に所属しなければならないという制度)が実施されたことから、その傾向はますます強くなりました。そのような時世の中、国学の興隆によって国学者らによる神葬祭の研究も行われるようになり、神職とその嫡子(ちゃくし)に限って神葬祭が許可されるようにもなったのです。明治時代になると、一般人に至るまで神葬祭が許可されるようになり、全国へ広まっていきました。

親の喪(も)にあたる場合、参拝を慎む期間はどれくらいですか
 古くから、親族の喪にあたる場合は、神前に参ることを慎み、親の喪にあたる場合には、一年間鳥居をくぐってはならないとされていました。
 忌服(きぶく)の「忌」とは、死者の穢(けがれ)がついているので、世間に出ることを慎む期間であり、「服」とは喪服のことで、喪服を着て謹慎している期間をいいます。
 なお、期間が定められている理由としては、死者へ向けられた悲しみを次第に薄ろがせて、慎んだ生活状態から少しずつ平常の生活状態へ戻すためだともいわれています。
 明治以後の、一般的な忌服は以下の通りです。
現在では、最も重い父母の死で五十日、神社参拝や神棚のおまつりを遠慮します。伊勢の「神宮」は、皇室の例にならって、一年間参拝を遠慮します。(詳しく規定されていましたが、その中から抜粋しました)
死亡者
父    母 50日   13月
夫の父母 30日 150日
祖父母 30日 150日
曾祖父母 20日   90日
高祖父姑 10日   30日
伯叔父姑 20日   90日
兄弟姉妹 20日   90日
甥    姪   3日     7日
30日   13月
20日   90日
20日   90日
10日   30日
曽孫玄孫    3日     7日
次は神社の神職を対象にした神職服忌心得(昭和23年12月18日制定)ですが、一般の方もこれを参考にされたらよいでしょう。
忌の期間は、次の四種に分かち所定の期間これに服する。
(イ)父母、夫、妻、子については:10日 但し、7才未満の子については:5日
(ロ)祖父母、孫、兄弟姉妹については:5日
(ハ)曾祖父母、曾孫、甥姪、伯叔父母については:2日
(ニ)高祖父母、玄孫、兄弟姉妹の孫、従兄弟従姉妹、従曾祖父母については:1日
配偶者の親族の忌の期間については、総て所定の期間を一項目ずつ繰下げた日数による。 但し、7才未満の子については2日、前項(ニ)については忌に服さない。
遠方にあって訃報を受けたときは、受けた日からその残りの日数の忌に服し、忌の期間を過ぎた場合は、その当日だけ服する。 但し、夫、妻、子にあっては、受けた日から所定の忌に服する。
忌の期間を過ぎて葬儀を行う場合は、当日だけ忌に服する。
忌中はもっぱら喪事に従うものとする。
忌の期間が終わったときには祓(はらえ)を行う。
服はその人の心得に任す。
服忌に関し一社伝来の慣例がある場合は、これに依るも差支えない。
忌の期間は、特殊の事情があってやむを得ない場合は適宜縮減するも差支えない

神社神道(しんとう)の死生観について説明してください
 神道は祖先を崇敬する信仰が基になっています。氏族の始祖を氏神(うじがみ)として崇敬し、祖先を自分たちの守り神として崇敬します。このように人は死後、家族や親族を見守る霊となって祖先神の仲間入りをすると考えられます。この、人と神の連続性は、神道の大きな特徴と言えます。
 江戸時代の豊受大神宮(とようけだいじんぐう)の祠官(しかん)であった、中西直方(なかにしなおかた)は『死道百首』の中で、「日の本に生まれ出にし益人(ますびと)は神より出でて神に入るなり」と詠んでいます。これは、祖先の神々から出たものは、やがて一生を終えると祖先の神々の所へ帰っていくのだという意味であり、この歌は実に明確に日本人の死生観を表しています。つまり、日本人の生命は、祖先から自分へ、自分から子孫へと永遠に「血」と「心」の連続を形成するのです。いいかえれば、これは霊魂の不滅、霊魂の引き継ぎともいえるでしょう。
 そして、私ども日本人の「霊」は、仏教でいうような十万億土にいくのではなく、わが家、わが郷土、わが国に留まって、祖神と共に子孫の繁栄を見守り、子孫からのお祭りを受けるのです。

私たちの霊魂は不滅ですか
 肉体は滅びても、霊魂は永久に不滅です。
 私たちは結婚して、産土神(うぶすながみ)(氏神(うじがみ))の偉大なる力(稜威(みいつ))をいただき、夫婦の霊魂が結び合わされて子供を授かります。つまり、子供に両親の霊魂が引き継がれるわけです。そして、子供は親から引き継いだ霊を核として自らも努力し、自分自身の霊魂を作り上げていきます。
 夫婦に子供ができなかったときは、子供への霊魂の引き継ぎはかないませんが、私たちが死を迎えて、霊魂が肉体を離れると、私たちの霊魂は祖霊の元へと帰っていくのです。

神葬祭の時の拝礼作法を教えてください
 神葬祭では、神職から玉串を受けたら、御霊前の案(あん)(台のこと)の前まで進み、軽くお辞儀をして玉串を案の上に置きます。この時玉串は根本が御霊前の方を向くように置きます。次に、二礼二拍手一礼ですが、この時の拍手は、「忍び手」といい、音を出さないようにします。次に軽くお辞儀をして元に位置に戻ります。