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神社Q&A
神社と神道について、皆さまのご質問にお答えしています。

家庭祭祀

神棚はどこに設けたらいいですか
 神棚は明るくて清浄な高い場所(人々の目線よりも高い場所)に、南向きあるいは東向きに設けます。また、家族や会社の人が、お供えしたり拝礼したりするのに都合のよい場所であることも大切な条件になります。ただし、人が出入りをする場所の上、たとえばドアの上であるとか障子(しょうじ)や襖(ふすま)の鴨居(かもい)の上に、神棚を設けることは避けるようにします。
 家庭に神棚を設ける場合、場所としては座敷が一般的ですが、最近では座敷のない家庭も多くなったので、その場合は居間でもよいでしょう。会社の事務所の場合は、その長たる人の席の近くや中心となる場所が適当です。
 神棚の中央には、神殿の形を模した宮形(みやがた)を置き、その中にお神札(ふだ)を納めます。
 神座の順位については、神棚の中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。したがって、宮形が大きい場合には中央に神宮大麻(じんぐうたいま)を、向かって右側に氏神(うじがみ)さま、左側にその他の崇敬する神社のお神札(ふだ)をお祀りします。宮形が小さい場合は、神宮大麻を一番手前にお祀りし、その後ろに氏神さま、次に崇敬する神社のお神札を重ねてお祀りします。お神札の数が増えて、宮形に納められない場合には、棚の上に丁寧に並べても差しつかえありません。

神饌(しんせん)の供え方について教えてください
 神棚には、毎朝必ず「神饌(お供え物)」である米(洗米もしくは炊いたご飯)と塩と水をお供えします。米と塩は、土器(かわらけ)または白い小皿に山形にして盛り、水は水器などに、その日の初水を入れます。そして、これらを三方(さんぼう)または折敷(おしき)の上にのせます。のせるときの位置は、米を中心にして向かって右側が塩、左側が水です。 このとき、水器などの蓋(ふた)は取ってお供えします。それから、三方や折敷の向きは、縁(へり)に継目(つぎめ)(綴目(とじめ))のある方を手前に向けて下さい。
 通常お供えする神饌は、米と塩と水ですが、毎月一日や十五日あるいは宮形の中に納められているお神札(ふだ)の神社の例祭(れいさい)日、家庭内のお祝い事(誕生日、年祝いなど)のあるときには、酒や魚(尾頭付き)、野菜や果物などをお供えし、丁重にお祭りをします。この他、四季の初物(その季節に初めて穫(と)れた物)やいただいた物などを得た折りにも神棚にお供えします。
 一度神棚にお供えした物には、神さまの御霊(みたま)がこもりますから、お下げしたあとは一家揃っていただきます。

家庭でお神札(ふだ)をお祀(まつ)りするとき、どんな祭器具(さいきぐ)が必要ですか
 「榊立(さかきた)て」は榊を立てて神さまにおあげするためのもので、神棚の左右に置くために一対(いっつい)用意します。「瓶子(へいし)」は蓋(ふた)つきの器で、これには酒を入れます。これも一対用意します。「平瓮(ひらか)(土器(かわらけ)ともいう)」は米や塩などを盛るための器で、大小さまざまの種類があります。「水器(すいき)」は水を入れるための器です。これらの他に、常に神前を明るくするために「神灯(しんとう)」も一対用意します。 神灯は、神社に灯籠(とうろう)があるのと同じ意味合いで、神棚にも灯(とも)すわけです。 種類や大きさはさまざまですが、最近では電灯式のものが多く見られます。
 以上の祭器具は、どれも神具店などで求めることができます。求める際には、神棚に合った大きさのものを選ぶように注意して下さい。

家庭における神拝(しんぱい)作法を教えてください
 神棚は家族や住居を守護していただく神さまの御座所ですから、毎日のお祭り(日供祭(にっくさい))を欠かさないようにします。毎朝、朝食前に一家の主人または代表者が、顔を洗い口をすすいで、神饌(しんせん)(お供え物)である米(洗米もしくは炊いたご飯)と塩、それから水をお供えします。次に榊立(さかきた)ての水を取り替え、神灯(しんとう)を灯(とも)してお祭りを始めます。お祭りでは、まず神饌をお供えしてから、日頃の神恩を感謝し、これからの家族の安泰と幸福を祈ります。また、家庭内のお祝い事(誕生日、年祝いなど)のあるときには、その旨を神さまに奉告します。もちろん、毎日の神拝は、一家の主人または代表者だけではなく、家族の一人一人が欠かさないように心掛けて下さい。
 神拝の作法は、神社参拝の作法と同様に、二拝二拍手一拝です。このときに、神棚拝詞を心をこめて奏上するとさらに丁重です。神棚拝詞を奏上する場合は、奏上前に二拝をし、奏上後に二拝二拍手一拝をします。次に、参考として「神棚拝詞」を掲げます。

此の神床に坐します掛けまくも畏き天照大御神・産土大神等の大前を拝み奉りて恐み恐みも白さく  大神等の広き厚き御恵を辱み奉り  高き尊き神教の随に直き正しき真心以て誠の道に違う事なく  負い持つ業に励ましめ給い 家門高く身健やかに世のため人のために尽くさしめ給えと恐み恐みも白す

(このかむどこにまします、かけまくもかしこきあまてらすおおみかみ・うぶすなのおおかみたちのおおまえを、おろがみまつりてかしこみかしこみももうさく  おおかみたちのひろきあつきみめぐみをかたじけなみまつり、たかきとうときみおしえのまにまに、なおきただしきまごころもちて、まことのみちにたがうことなく、おいもつわざにはげましめたまい、いえかどたかくみすこやかに、よのためひとのためにつくさしめたまえと、かしこみかしこみももうす)

毎年お神札(おふだ)を新しくする理由は何ですか
 新しい年を迎えるにあたり、一年間お祀(まつ)りしたお神札を、粗末にならないように神社に納め、浄火によって焼納(お焚(た)き上げしていただきます。そして、新たに伊勢神宮のお神札(神宮大麻(じんぐうたいま))、氏神(うじがみ)さまや崇敬する神社のお神札を受けます。それらのお神札は、掃除を済ませ清浄になった状態の宮形に納めます。
 お神札を毎年新しくする理由は、神さまが清浄を第一とすることと、さらに御霊威を新たにされた神さまの、その生命力にあふれた御霊(みたま)の力をいただき、一層のご加護を願うためです。そして、このように毎年お神礼を新しくすることで、祖先より受け継いできた神さまへの感謝の心を、子孫にも伝えることにもなるでしょう。一家が揃って神さまを尊び敬うことは、神さまのご加護を受けることにもつながり、これはすなわち円満で幸福な家庭を築くことにもなるのです。

古いお神札(ふだ)と新しいお神札を一緒にお祀(まつ)りしてもいいですか
 一緒にお祀りしたからといって、そのために何かよくないことがあるということはありません。
 新しいお神札を授かることは、生命力の蘇り、すなわち神さまの御霊威が新たにされることを意味します。ですから、私たちはその瑞々しい神霊によってご加護をいただくことになるのです。
  一緒にお祀りしていただいても一向に差し支えありませんが、なるべく新しいお神札と入れ替えて、何かの折りに近くの神社へ古いお神札を持参し焼納してもらうとよいでしょう。

いろいろなお神札(ふだ)を一緒にお祀(まつ)りすると神さま同士が喧嘩(けんか)しませんか
 神さま同士が喧嘩することはありませんから、複数のお神礼を一緒にお祀りしてもかまいません。ただし、お神札の正しい祀り方を心得ておいてください。
 まず伊勢神宮のお神札(神宮大麻(じんぐうたいま))を中央に、氏神(うじがみ)さまのお神札を向かって右側に、崇敬する神社のお神札を向かって左側にお祀りします。お神札を重ねてお祀りする場合は、一番手前に伊勢神宮のお神札(神宮大麻)を、その後ろに氏神さまのお神札を、次に崇敬する神社のお神札をお祀りします。

古いお神札(ふだ)とお守りはどうしたらいいのでしょう
 一年間、一家の人々をお守りいただいた古いお神礼やお守りは、粗末にならないように神社へ納めます(神社によっては、境内(けいだい)に「古札納所(こさつおさめしょ)」を設けている所もあるので、その場合はそこへ納めます)。納める先の神社は、できるだけお神札やお守りを受けた神社が望ましいとされています。しかし、旅行先など遠隔地でいただいてきた場合には、たとえ違う神社のものであっても、近くの神社へ納めて差し支(つか)えありません。ただし、神社で祈祷(きとう)を受けた際にいただいたお神札は、心願成就するまでお祀(まつ)りしてもかまいませんが、成就のあとはその神社へお礼のお参りをして、お神札を納めるとよいでしょう。
 神社に集められた古いお神札やお守りは、浄火によって焼納(お焚(た)き上げ)します。 地方によっては、一月十五日の小正月に行われる「左義長(さぎちょう)」や「どんど焼」の神事で、松飾りや注連縄(しめなわ)と共に焼納する神社もあります。

神棚がない場合、お神札(ふだ)はどのようにお祀(まつ)りするのですか
 近年の住宅様式及び住宅事情によっては、神棚を設けてお神札をお祀りできない場合もあります。そのような場合は、なるべく南向きか東向きの壁や柱などの高い所に、半紙または奉書紙をあてて、その上にお神札を貼ります。その際、お神札を画びょうなどで直(じか)に刺すことをせず、傷つけないように糊(のり)で貼ります。また、茶箪笥(ちゃたんす)の上をきれいに片づけ、そこへお神札をお祀りし、その前に米と塩と水を供えるのもよいでしょう。いずれにしても、お神札を大切にする心があれば、決して無礼にはなりません。
 最近では、共同住宅向けの、場所をとらない簡易宮形(かんいみやがた)もありますので、氏神神社や神社庁などにお問い合わせください。

ご先祖さまのお祀りはどうするのですか
 仏教では位牌を仏壇に納めて供養しますが、神道では白木造りの霊璽(れいじ)を御霊舎(みたまや)に納めてお祀りします。日々のお祀りは神棚と同じようにお供えをしてお参りしますが、順番は神棚のあとになります。
 ちなみに仏教では現世の名前とは別の戒名を付け、功徳を積んだ僧侶により迷わず極楽浄土に行けるよう供養してもらいますが、神道では現世の名前のまま高天原(たかまがはら)に行き、子孫を見守ります。神主は家族に代わって祭儀を行うに過ぎません。